1on1で、いい話はできた。相手の詰まっているところも聞けた。お互いに納得もした。
それなのに、翌月になっても実行されていない。
この記事では、1on1で話したことが実行されるために、最後の数分で何を決めるかをまとめます。
結論を先に書くと、決めるのは「次回までに何を試すか」を1つです。そして、それを次回の冒頭で必ず聞くところまでが1組になります。
実行されないのは、終わり方を決めていないから
1on1を始めるとき、多くの場合は「何を聞くか」を考えます。
一方で、「どう終わるか」は決めていないことが多いのではないでしょうか。
時間が来たので終わる。お互いに「では、また来月」と言って席を立つ。
このとき、話した内容は二人の頭の中にだけ残ります。
翌月、同じ話をもう一度することになります。進んだかどうかを確かめる手がかりが、どこにも残っていないからです。
最後に聞くのは「次回までに何を試してみますか」
私の1on1では、本人が詰まっていることを中心に聞いています。
そのうえで、どうするかについても会話します。
そして最後に、その詰まっていることに対して、こう聞きます。
「次回までに何を試してみますか?」
ここで大切なのは、1件に絞ることです。
話の中で課題が3つ4つ出てくることはあります。それを全部決めようとすると、どれも中途半端になります。
次の1か月で試せる量は、そう多くありません。
もう一つ大切なのは、行動の中身をこちらが用意しないことです。
話を聞いていると、「ではこうしましょう」と言いたくなります。ただ、こちらが中身まで決めた行動は、本人にとっては指示になります。
聞いたあとに、こちらが話しすぎてしまう問題は、1on1で上司が話しすぎていないか|考えさせる場が指示の場に変わるときにまとめています。
次回の冒頭で、前回の1件を必ず聞く
終わり方を決めるだけでは足りません。次の回の始め方とつなげる必要があります。
私は、決まったことを1on1の記録表に書いています。
そして1on1のときは、前回と前々回の分を手元に置いて会話しています。
冒頭で聞くのは、この一言です。
「前回〇〇を試してみるとの話になりましたが、実行してみましたか?」
毎回これを冒頭で聞いています。
続けていると、前回決めた1件は必ず質問されると分かってもらえるのではないか。そう考えています。
責めるために聞いているのではありません。できなかったのなら、そこが次の話の入口になります。
実行されていなかったとき、私は理由を掘るより先に、何が足りなかったのかを聞くようにしています。
時間が取れなかったのか。判断していい範囲が分からなかったのか。決めるための情報がなかったのか。
このうち後ろの2つは、渡していないこちら側の問題です。詳しくは、「どうしましょう」と聞かれたときの返し方|全部直すと、次から考えなくなるにまとめています。

大事なのは、決めたことが次の回に持ち越される形になっていることです。
私の会社で起きたこと
ある管理職が進めている案件がありました。
本人の進め方がよく、効果も出ていて、予算で掲げた目標を期中に達成していました。
そこで1on1で、来年度の案件として何を考えているかを聞いてみました。
すると、今年から実行できそうな案件を、すでに持っていました。
私が出したのは「前倒ししてみませんか」という提案だけです。返事は「検討します」でした。
翌月の1on1で、前回の話を冒頭で聞いたところ、すでに着手してくれていました。
ここで振り返っておきたいのは、次の行動が私の思いつきではなかったことです。
本人がすでに持っていた案を、「来年度は何を考えていますか」という問いで引き出しただけでした。
その場で確約を取らなくていい
先ほどの話で、本人の返事は「検討します」でした。
その場で「やります」と言ってもらったわけではありません。
私は、ここで確約を取ろうとしなくてよいと思っています。
「必ずやりますね」と念を押すと、確実にできることしか出てこなくなるからです。試すというより、こなす作業になります。
次回までに試すことなので、やってみて合わなければ、そう報告してもらえばいい。
決めるのは行動であって、成果ではありません。この線引きをこちらが持っていないと、聞き方がだんだん詰問に近づいていきます。
全員に、次の行動を決めてもらう必要はない
ここまでと逆のことを書きます。
1on1をしなくても、予算で掲げたことを実行し、達成する管理職もいます。
そういう相手に、毎回「次に何を試しますか」と聞く必要はありません。すでに自分で回っている人に、こちらの型を当てはめることになります。
私は、そういう場合は無理に次の行動を決めていません。
代わりに聞いているのは、この2つです。
- いま困っていること
- 上手くいっていること
うまくいっていることを聞くのは、確認のためだけではありません。他の部門でも使えるやり方が出てくることがあります。

次の行動を決めるのは、本人が詰まっているときです。詰まっていない相手に決めさせるのは、管理の形を整えているだけになります。
最初の一歩
次の1on1で、終わりの数分だけ決めてみてください。
「次回までに何を試してみますか」と聞いて、1件だけ書き留める。
そして次の回の冒頭で、その1件を聞く。
この2つが1組になって初めて、1on1で話したことが次の月につながります。
記録は、凝った様式でなくてかまいません。私も、前回と前々回が見られる形にしているだけです。
まとめ
1on1で話したことが実行されないとき、見直すのは聞き方より終わり方です。
- 最後に「次回までに何を試してみますか」と聞き、1件に絞る
- 行動の中身はこちらが用意しない。本人から出たものを書き留める
- 次回の冒頭で、その1件を必ず聞く
- 詰まっていない相手には、無理に決めてもらわない
1on1が機能しないとき、どの段階から見直すかは、1on1を導入したのに機能しないとき、どこから見直すか|4つの段階にまとめています。
決めたことが会議で扱う話なのか、1on1で扱う話なのかの分け方は、会議で決めたことが実行されないとき、会議と1on1をどう分けるかで整理しています。
1on1の進め方を対話形式でひととおり確認したい方には、Kindle『対話形式で学ぶ!1on1ミーティングの基本』があります。
\ Kindle+なら無料で読めます /
本書の読者向けに、1on1で話した内容を次の行動と記録までつなげるWebアプリを用意しています。
