会議が多い。一人ひとりが会議に取られている時間が長い。
そう感じて会議の数を減らそうとすると、決まって「この会議はなくせない」という話になります。
実際、どの会議にも目的があるので、まるごと消せるものはほとんどありません。
この記事では、会議をやめずに、社員が会議に取られる時間を減らす分け方を整理します。
結論を先に書くと、削るのは会議ではなく、参加者です。そして参加者を決めるには、先に会議を2種類に分ける必要があります。
会議が減らないのは、目的ごとに増えていくから
会議は、目的ができるたびに増えます。
数字を見る会議、計画を確認する会議、トラブルの原因と対策を扱う会議、連絡事項を共有する会議。
それぞれに必要があって生まれているので、一つずつ見ると、どれもなくせません。
私の会社にも、目的ごとに分かれた会議がいくつもあります。
問題は会議の数そのものではなく、そのすべてに同じ顔ぶれが出ていることでした。
一人の社員から見ると、自分が直接関係しない議題を聞いている時間が積み上がっていきます。
会議を分ける基準を、テーマに置かない
では、どう分けるか。
ここで「数字の会議」「改善の会議」のようにテーマで分けようとすると、うまくいきません。
テーマはいくらでも細かくできるので、分ければ分けるほど会議が増えます。
私の会社では、KPIマネジメントを導入したあとに、予算で作ったKPIの体系に乗っているかどうかで分けました。
- 会社の目標に直結する報告(KGI・CSF・成果KPI・プロセスKPI)
- その体系に乗っていない管理項目や、トラブルの原因と対策
この2つは、場の性質がまったく違います。
目標に直結する報告を扱う会議は、会社としての方向を決め、進捗を確認する場です。
管理項目やトラブルを扱う会議は、起きている事象について、関係する部門が原因と対策を詰める場です。
KGI・CSF・成果KPI・プロセスKPIという4つの言葉の関係は、KPIが「成果指標」しかない会社が最初に整理すべき4つの言葉で整理しています。
参加者は「部門の幅」と「階層の深さ」で決める
分ける目的は、会議を増やすことではありません。参加者を決められるようにすることです。
ここで、参加者を「多い・少ない」の一本の物差しで考えると決まりません。
見るのは2つです。どの部門まで呼ぶか(幅)と、その部門の中でどの層まで呼ぶか(深さ)。
私の会社では、こうなっています。
目標に直結する報告を扱う会議|広く、浅く
幅広い部門から集めますが、出るのは社長・管理職・各部門のNo.2までです。
会社としての方向決めと進捗確認の場なので、部門をまたいで同じ絵を見る必要があります。一方で、そこで決まるのは会社としての判断なので、各部門の全員がいる必要はありません。
管理項目やトラブルを扱う会議|狭く、深く
呼ぶのは関係する部門だけです。ただし、その部門のスタッフは全員参加します。
原因と対策を詰める場では、実際に手を動かす人がその場にいなければ決まりません。だから、部門は絞るが、中は深く入る。

幅を広げるなら層を浅く、層を深くするなら幅を狭く。この組み合わせで考えると、参加者は決めやすくなります。
私の会社で起きたこと
以前は、どの会議にもスタッフが全員参加していました。
会議の数が多いこと以上に、一人あたりが会議に拘束される時間が長い状態でした。
自分の担当ではない議題について、原因と対策のやりとりを最後まで聞いている。そういう時間が、毎月それぞれの社員に積み上がっていました。
KPIマネジメントを導入したあと、会議体をこの2種類に分け、それぞれの参加者を幅と深さで決め直しました。
その結果、全社員ののべ会議時間は大きく減ったと感じています。
会議の数を減らしたわけではありません。出る人を決め直しただけです。
出ていない人へは、会議の外で届ける
参加者を絞るとき、情報が届かなくなるのではないかという心配が出てきます。
私の場合、そこは心配しませんでした。会議の外に、届ける仕組みがあったからです。
私の会社では、次の3つで届けています。
- 会議資料は、社内のサーバー上で共有する
- 議事録を配布する。議事録には、会議で決まった実施事項も書く
- 次回のアジェンダに前回の宿題事項を書き、会議の冒頭でリマインドする

その場にいることと、情報が届いていることは別です。
会議に出ていなくても、決まったことと、誰が何をするのかが読めるなら、参加する必要はありません。
逆に言えば、この仕組みがないまま参加者だけを絞ると、情報が止まります。順番としては、届ける形を先に用意するほうが、取りこぼしが起きにくくなります。
アジェンダに何を書くかは、会議のアジェンダに何を書くか|「報告事項」だけでは足りないにまとめています。
人数が少ない会社では、どう考えるか
会社によっては、管理項目やトラブルを扱う議題でも、結局ほぼ全部門が関係することがあります。
その場合、無理に分ける必要はありません。
ただ、その状態でも確かめておきたいことが一つあります。本当に全部門が関係者なのか、全部門が関係者ということにしているだけなのか。
「一応、知っておいたほうがいい」で呼んでいるなら、それは関係者ではありません。
決まったことを読めば足りる人を、その場に座らせているだけです。
まず1つの議題だけでいいので、出席者を「決めることに関わる人」に限ってみる。そのうえで、残りの人には議事録で結果を渡す。
これだけでも、一人あたりの時間は変わります。
最初の一歩
次に会議のカレンダーを見るときに、1つだけ確かめてみてください。
それぞれの会議に出ている人の中で、その会議で決まったことを自分の仕事に持ち帰る人は何人いるか。
持ち帰る人が半分に満たない会議があれば、その会議は2種類の議題が混ざっている可能性があります。
会社の方向を決める話と、個別の管理項目・トラブル対応。この2つが同じ時間に入っていないかを見てみる。
混ざっているなら、後者を切り出して、関係する部門だけの場に移せないかを考えてみてください。
まとめ
会議が多いと感じたとき、会議そのものを消そうとすると行き詰まります。どの会議にも目的があるからです。
先に分けるのは、テーマではなく会社の目標体系に乗っているかどうかです。
そのうえで、参加者を幅と深さで決めます。
- 会社の方向を決める会議 → 広い部門から、上の層だけ
- 個別の管理項目・トラブル対応 → 関係する部門だけ、中は全員
ただし、参加者を絞る前に、議事録と次回アジェンダで出ていない人へ届ける形を用意しておく。
これで、会議を1つも減らさずに、社員が会議に取られる時間を減らせます。
会議そのものの中身を見直したいときは、月次会議が報告会で終わる会社が、最初に見直す5つのことから読んでみてください。
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