月次会議で社長が”なぜ”を繰り返してしまう原因と、最初の見直し方

月次会議で、「なぜ未達だったのか」「原因は何か」「来月はどうするのか」を、毎回その場で聞いている。

こうした会議が続くと、社長は次第に「会議の時間の多くを、自分が問いかけることに使っている」と感じるようになります。

この記事の結論は、その原因が管理職の能力や意識ではなく、会議が「事前に考えてくる」前提で設計されていないことにある、ということです。設計を見直せば、社長が問い詰める場面は減っていきます。

目次

「なぜ」を繰り返すのは、能力の問題ではない

会議で原因や打ち手がすぐに出てこないとき、社長はこう感じやすくなります。

考える力が足りない。 当事者意識が低い。 もっと自分で考えてほしい。

私自身、何度もそう感じてきました。

ですが、これは管理職の能力や意識の問題ではなく、会議という場に「何を考えてくればいいか」が渡されていないことが原因です。会議の場でいきなり「なぜ未達なのか」「次の打ち手は」と聞かれたら、誰でも詰まります。準備のない状態で同じことを聞かれたら、社長自身もその場ですぐには答えられません。問題は、その「準備」をする仕組みが会議の外側にないことにあります。

会議で原因や打ち手が出てこない理由

社長が会議で聞いていることは、実はいつも同じです。

  • 結果の数字はどう動いたか
  • その数字につながる行動はどう動いたか
  • 未達・達成の原因は何か
  • 次にどう対応するか

この4つのうち、最初の2つ(結果の数字・行動の数字)は、資料として準備されていることが多いです。会議で止まりやすいのは、後半の2つ、つまり「原因」と「対応」です。

数字を見るのは会議の場が初めて。原因を考えるのも会議の場が初めて。打ち手を出すのも会議の場が初めて。この状態で「考えてきてほしい」と求めても、管理職には何を求められているかが伝わっていません。

社長が毎回同じ質問を繰り返しているなら、それは「毎回同じことを聞かれる」という情報そのものが、会議の前に管理職へ渡されていない、ということです。聞かれる内容が事前にわかっていれば、考えてくることができます。聞かれるかどうかが会議の場でしかわからなければ、その場で考えるしかありません。

私の会社で起きたこと

以前の私の会社では、月次会議の資料に共通の形式がありませんでした。グラフだけを持ってくる部門、原因は書いてあるが打ち手がない部門と、内容の質が部門ごとにばらばらでした。結果として、会議では私がその場で深掘りするしかありませんでした。

そこで、報告の型を共通フォームにしました。見る項目はシンプルです。

共通フォームに入れる4つの項目
  • 結果の数字のトレンド
  • その数字につながる行動の数字のトレンド
  • 原因と考察
  • 今後の対応

この4つを、会議の前に記入してもらう形にしました。

導入したときの管理職の抵抗は、ほとんどありませんでした。むしろ、フォームができたことで「どう見せれば伝わるか」を毎回考える必要がなくなった、という反応がありました。それまでは、何を求められているかが言語化されていなかったため、管理職は「とりあえず数字とグラフを持っていく」という対応しかできなかったのです。

すぐにすべてが変わったわけではなく、書き方の指導を何度も繰り返した部署もありました。ただ、月を追うごとに、未達の報告でも「どの行動が弱かったのか」「次に何を増やすのか」が、会議の場で初めて出てくるのではなく、事前に整理された状態で出てくるようになっていきました。

会議の設計を変えると、社長の役割も変わる

報告フォームを導入してから、会議の中で私がする質問は減っていきました。

以前は、未達の報告に対して「なぜ」「どうするのか」を私が聞き、管理職がその場で考えていました。フォーム導入後は、その内容がすでに資料に書かれている状態で会議が始まります。私の役割は、書かれている原因や対応を確認し、必要であれば判断を加えることに変わりました。

これは、管理職を信頼できるようになったから起きた変化ではありません。会議の構造が変わったことで、信頼できる状態が後から生まれた、という順番です。「なぜ」を繰り返して引き出す役割から、出てきた内容を確認し判断する役割へ。この移行が、会議にかかる時間と、社長自身の負担を変えていきます。

最初の一歩

会議の設計を見直すといっても、最初の一歩は会社の状態によって違います。

「報告はあるが原因が出てこない」状態なのか、「そもそも会議の場で初めて数字を見ている」状態なのか。どこで止まっているかによって、見直す場所は変わります。

「会議改革」のカテゴリでは、この見直しを進めるために、次のテーマを扱っていきます。

報告フォームの作り方

会議で毎回聞いていることを、事前に考えてもらう形にするための、フォームの項目設計について扱います。何を入れ、何を入れないかという線引きが、フォームの使いやすさを左右します。

会議が報告会で終わってしまうときの直し方

数字の報告だけで会議の時間が終わり、原因や打ち手の議論に進まない状態について扱います。報告フォームがあっても、書く内容が数字の説明に留まっていると、会議は同じ状態のままになります。

会議で社長が話す量を減らす進め方

会議の主役を、社長の説明や指示から、管理職の報告・判断に移していく進め方について扱います。報告フォームの定着には時間がかかるため、その過程で社長がどう関わるかも論点になります。

まとめ

社長が会議で「なぜ」を繰り返してしまうのは、根性や意識の問題ではなく、会議の前に考えてもらう仕組みがまだないからです。これは、会議を一度設計し直せば変えられます。

自社の会議が今どの状態にあるかは、無料の会議OS診断で確認できます。いくつかの質問に答えるだけで、今どこを見直すと効果が出やすいかが分かります。

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