自社で実際に変わったこと|社内OSを整えてきた実践記録

このサイトで書いているのは、一般的なマネジメント論ではありません。経営を任された組織で、私が実際に試してきたことです。

ここでは、KPI・月次会議・社員教育・1on1を一つの仕組みとして整えてきた結果、自社で何が変わったかをまとめます。うまくいかなかったことも含めて書いています。

会社全体の結果としては、成果KPIの達成率が大きく改善しました。ただし、これを社内OSだけの成果だとは考えていません。同じ時期に進めた改善はほかにもあり、外部環境の影響もあります。以下は「社内で行った改善の中で、このような変化があった」という記録です。

KPIマネジメント|予算づくりが社長の仕事ではなくなった

以前
翌年度の課題設定から資料作成まで、実質的に社長任せになっていました。管理職は生データを出すところまではできても、自部門の課題を整理して計画を立てるところまでは進みません。

何を変えたか
まず、KPIマネジメントで使う用語の意味と、プロセスKPIの設定方法を教育しました。そのうえで予算づくりの中で、会社のKGI(最終的に達成したい数字)から、そのために特に重要な取り組みを考え、部門の成果KPIとプロセスKPIまで自分たちで落としてもらう形にしています。あわせて、何を良しとするかの判断基準も言語化し、予算づくりの手順に組み込みました。

その後
予算づくりの大部分を、展開役を中心とした管理職に任せられるようになりました。展開役が管理職を取りまとめ、私とのパイプ役になってくれました。KPIを教える役割も、展開役に移しました。

予算とKPI指導にかかっていた私の時間は、年間でおよそ150時間減りました。その創出できた時間は、中期的な活動に使えています。

そこから分かったこと
渡すべきだったのは、答えではありませんでした。どこまでできればよいかという判断の基準と、目標を達成するために何をやるかを考える手法の、両方です。

基準だけを示しても、そこへ近づく手立てを持っていなければ動けません。どちらも渡さないまま「自分で考えてほしい」と言っていたのが、以前の私でした。

会議改革|報告だけの場から、打ち手が出る場へ

以前
トレンドグラフが示され、予算に対して達成か未達かが報告される。そこで報告が終わっていました。未達であっても「では次に何をするか」は、私が聞かない限り出てきません。

何を変えたか
予算づくりで設定した成果KPIとプロセスKPIを、業務目標シートにも記載してもらいました。会社の目標と、一人ひとりの成果目標・行動目標がここでつながります。そのうえで、毎月の月次会議でその数字を報告してもらう形にしました。

あわせて、報告資料の様式と、分析結果を書くための文章のテンプレートを作りました。「プロセスKPIの〇〇が未達のため、成果KPIの△△も未達となった。今月は□□の頻度を増やす」という具合に、穴埋めで書けるところまで落としています。

その後
原因と打ち手について、社員側から提案が出るようになりました。私が原因を深掘りし、打ち手を指示することが大幅に減ったぶん、月次会議の時間は月あたり約3時間短くなっています。

そこから分かったこと
変化が出たのは、様式ではなく記入のテンプレートを渡したときでした。社員の考える力が急に伸びたわけではありません。考えた結果を書く場所と書き方が、それまで無かっただけでした。

社員教育|外部に頼む形から、社内で回る形へ

以前
教育は外部講習が中心でした。費用がかかるうえ、受けた人の中にしか残りません。

何を変えたか
段階を踏みました。まず私が教育資料を作って教える形に変え、次に展開役が作った資料で教える形へ移しています。

その後
教材の作成と教育の実施が、社内で回るようになりました。社員が自分たちで教え合い、育っていく動きも出てきています。外部研修をやめたことで、研修費もおよそ3分の1になっています。

そこから分かったこと
外部研修を買っていたつもりで、教える経験そのものを社外に出していました。社内に残らなかったのは、知識ではなく教える力のほうです。費用より、こちらの損のほうが大きかったと思っています。

社内で作った教材で、実際に教えたこと

社内で作っている教材は、KPIや会議の進め方だけではありません。安全と営業についても、教材を作って教えています。どちらも、そこを変えたいという狙いがあってのことです。

教材を内製できると、自社で変えたい場所に合わせて教育の中身を決められます。2つ挙げます。

安全|社員どうしが、声を掛け合うようになった

以前
危ないと気づいても、社員どうしでは言い合わない状態が続いていました。

何を変えたか
相互注意を扱う教材を社内で作り、教育しました。

その後
社員どうしで、こうした指摘が出るようになりました。

  • 指差呼称ができていませんでしたよ
  • 安全靴が傷んでいますよ

そこから分かったこと
いずれも、ごく簡単な内容です。大きな提案が出るようになったわけではありません。ただ、言っていいのだという空気に変わったことのほうが、私には意味がありました。

営業|取引量の少ない顧客へ、定期的に足を運ぶようになった

以前
小口の顧客へは、用事があるときだけ訪問する形でした。年に1回行くか行かないかです。気づいたときには、同業他社が案件を取っていることもありました。

何を変えたか
営業心理学(単純接触効果・返報性の原理)のテキストを作り、ある営業のリーダーに、部下への社内講義を担当してもらいました。

その後
四半期に一度は電話などでコンタクトを取り、訪問を申し込むようにしています。断られることもありますが、半期に一度程度は訪問させてもらえています。

そこから分かったこと
訪問が増えなかったのは、意欲の問題ではありませんでした。訪問する意味が、まだ共有されていなかっただけです。教える立場に回ってもらったことで、その意味が社内の言葉になりました。

1on1|期待しているのは、管理職が部下を育てる力

1on1も会社の施策ですから、数字の達成率は当然その目標に入っています。ただ、それ以上に期待しているのは、管理職が部下を育てる力そのものが上がることかもしれません。

いま言えるのは、部下との面談で聞いた話だけです。1on1の場では、上司がよく話を聞いてくれるそうです。

ただ、管理職が部下を育てる力は、数字のように外から見えるものではありません。半年、1年と積み重ねて変わっていくものだと考えています。ここは現在進行形です。

まだ、うまくいっていないこと

上手くいった部分だけを並べても、同じ立場の方の役には立たないと思っています。ですので、まだ成果につながっていないことも正直に書きます。

  • トラブル対応の報告書:報告書は、70点程度までは管理職が仕上げて持ってくるようになりました。残りは、経験と、報告先に合わせた書き方が要る部分です。ここはまだ渡せていません
  • 新規顧客の開拓:予算で作った成果KPI・プロセスKPIでは管理しきれないことが分かってきました。指標の置き方そのものを見直しているところです
  • 1on1の効果の測り方:会議や予算と違い、外からは見えません。成果KPIの達成率にはつながっていると考えていますが、効果をどう測るかは今後の課題です

自社の現在地を確かめたい方へ

ここに書いたことは、どれも一度に変わったわけではありません。どこから手をつけるかで、進み方が変わります。

KPI・月次会議・1on1・自走度の4つの観点について、24問で現在地を確認できます。

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